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「生業（なりわい）を返せ、地域を返せ！」福島原発訴訟の第4回口頭弁論期日が行われました。

2014年1月14日　１５：００～１７：３０　福島地方裁判所

「生業（なりわい）を返せ、地域を返せ！」福島原発訴訟の第4回目の期日（裁判の日）が行われました。
　冒頭に3人の原告の意見陳述（原告や弁護士が訴訟にあたって、被害や意見を述べること）を行った後、提出書類の陳述が行われました。その際、原告が提出した準備書面（原告の法律的な主張を書いた書面）の要約の陳述も行われました。陳述の内容については、添付のファイル又は第4回模擬法廷の動画を後程UPする予定ですので、ご覧下さい。なお、Ustream中継の録画もございます。
　双方の主張と今後の裁判の進め方について、書面又は口頭で下記のようなやりとりがありました。

• 原告は、準備書面で、「被告らの行うべき除染について」、「津波により全交流電源が喪失することを予見できたこと」、「海水を使用する原子炉施設冷却設備の安全性確保に関して、国が規制すべきであったのに、規制しなかったこと」「原賠法によって民法が排除されないし、原賠法でも過失の判断が必要であること」「なぜ国が規制する権限を行使しなかったことが違法となるかについての具体的内容」「国が情報収集や調査を尽くして地震・津波被害を予見すべきだったこと」などを主張しました。
• 東電は、「民法より原賠法が優先され、過失は審理の対象とならない」と主張しました。
• 原告は、第3回期日で裁判所から東電に津波のシミュレーションや安全評価などを提出するよう文書送付嘱託（裁判所に提出を促すよう求める手続き）を行ったにもかかわらず東京電力がデータを提出しなかったことについて、東電に強く提出を求め、裁判所に対しても提出を強く求めるように要請しました。裁判所は文書送付嘱託で東電が提出しないのであれば、次の手段を考えてはどうかと述べました。
• 国は、第5回期日で「違法性の枠組み」「福島第一原発の立地や本件の地震・津波、事故の発生状況について」「地震・津波の知見（どのくらい知っていたか）について」「津波対策に関して行った行政指導について」、第6回期日で「今回の訴訟が民事の手続としては不適法であることなど」「原子力関係の法律の移り変わりやシビアアクシデント対策について」「放射線の影響について」、第7回期日でこれらの補充を行うと述べました。
• 原告は、東電も国のように2回で大体の主張を全て行うべきであり、過失についても次回主張するべきであると求めました。裁判所は民法と原賠法の関係はさておき、いずれにしても過失の有無は審理の対象とすべきと述べた上で、東電に対して、津波の予見可能性を主張すべきであるから、東電が主張する根拠（今回提出を拒否したデータなどを含む）についてもしっかり準備すべきであると述べました。
• 原告は、本件訴訟は多くの原告がいて、被害の状況を明らかにする必要があり、次回以降の期日でも原告の意見陳述を継続するべきだと述べました。裁判所は次回からは原告の主張と国・東電の主張を照らし合わせて議論をしたいと述べ、各期日原告１人の意見陳述を認めました。

　過失について、裁判所は「重要な争点だと認識している」と明言し、東電に対しても過失が争点となることを前提に原告に対する反論を行うよう求めました。文書送付嘱託について、裁判所は手続上の限界があることから、より強力な手続を取るよう示唆しました。
　今回の期日では、国だけでなく東電についても過失があったかどうかについて審理対象となることが明確になりました。東電の過失について審理対象とすると明言したのは、原発事故に関する被害救済訴訟としては全国で初めてのことです。単純な金銭賠償の請求ではなく、国と東電の責任を追及し、現状回復と被害の全体救済を求める原告の姿と、大規模な原告団であることが、裁判所の今日の発言を後押しにしたのではないかと考えています。
　国と東電に対し、被害を全面的に明らかにし、責任を徹底的に追及するという原告団の志と勢いが、今後、他の裁判にも良い影響を及ぼすことになるのではないかと期待されるところです。
　次回の裁判は、平成２６年3月２5日の１５時からとなります。次会から、国と東京電力の反論のターンです。福島第一原発事故から３年が経過する前の最後の期日です。法廷傍聴・模擬法廷など、多くの方のご参加をお待ちしております。

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