原告団・弁護団の活動

検証の下見に行きました。

検証の下見に行きました。

2014/6/21~22

6月21日・22日に裁判所に検証を申し立てる予定の県内各地を弁護団らで検証の下見に行って参りました。多くの原告の方のご協力のもと、参加者は、弁護団から11名、司法修習生(法律家の卵たちです)が10名、朝日新聞の記者が1名(今回の視察は6月23日の朝日新聞朝刊の記事になりました!)参加しました。

1日目


初日は、いわき市から出発、北上し、富岡町の原告宅、双葉町の原告宅、浪江町の請戸小学校、浪江町の原告宅、同じく浪江町の原告宅及び牧場を巡り、浪江町を抜けて福島市内へ行きました。その他に、仮置き場や、倒壊した駅前及び商店街などを視察しました。
富岡町に入ると、車内でも線量が一気にあがります。黒い除染袋がずらっと並んだ光景が至るところで目に入ります。福島第二原発に到着すると、防護服を重ねて着て、必要な手袋やマスクを受け取り、積算線量を計測する計器を首からぶらさげます。被告らによって汚染されてしまったのだという事実を感じます。
原告宅に実際訪れてして感じた、「生活が失われた」感覚は、現地を見て初めて実感できるものでした。建物が倒壊している上、家の中に動物の糞が落ちていたり、異臭が漂っていたり、およそ人が帰れる状況ではないのに、宅内にはその人が生活していた歴史を示すものが残っている、そのギャップのもたらす感覚は実際に見なければわからないものだと思います。「こんなの、もう我が家じゃない」との原告の呟きは、現場を見て初めてわかる、重い呟きでした。

2日目


2日目は、福島市や川俣町を回り、仮設住宅2件、巨大な仮置き場、放射線対策をしている保育園、市内の原告が経営する果樹園を視察しました。
素晴らしい作りで丈夫な家を建てたのに、線量の高さ故に戻れずに、狭い仮設住宅に住むしかなくなった原告の方のお話も伺いました。あんなに素晴らしい家を建てるのに要したであろう苦労を考えると、どれだけやるせない気持ちになったんでしょうか。
福島市内でも3マイクロシーベルトにも至るところもあり、居住者の生活の苦労がひしひしと伝わりました。実際に、保育園や農家の方は様々な工夫をこらしていることを知ることができました。しかし、このような努力を多くの人がしている事実は看過されていると思います。

今回の視察で得た成果を元に、弁護団は、裁判官らに被害の実態を知らしめるために、今秋に検証を行うよう申立てる予定です。このような被害の実態は必ず裁判官にも伝わると思います。検証の実施に当たっては、多くの原告の方の協力が必要になると思いますが、ご協力何卒宜しくお願い致します。

動画:震災後、時間のとまった町


動画:家の前に柵がある。