原告団・弁護団の活動

第2回「原発と人権」全国研究交流集会in福島の報告

第2回「原発と人権」全国研究交流集会in福島

4/6(日) 9:30~15:00 福島大学M棟

被害者訴訟原告団・みんなで交流
~ 私たちが求めるもの、私たちが目指すもの ~

 各地の原告団の交流ということで、現在提訴されている17カ所の裁判のうち10の原告団・弁護団に参加いただき、約150名が参加しました。
 各地の訴訟の概要や状況などについて報告をしていただき、その後は、先人の取り組みに学ぶというコンセプトで、水俣訴訟の原告の方、東京大気訴訟の原告の方、水俣訴訟の支援に関わってこられた方、水俣訴訟や筑豊じん肺訴訟などにかかわった馬奈木(昭)弁護士から、それぞれ教訓などについて発言していただきました。
 その後、会場からの発言があり、連携していくことの必要性や最後の一人までたたかうことの重要性、被害者の間にある溝を乗り越えていくことの意義などが述べられました。
 各地の原告団の交流の第一弾です。滞在者も避難者も同じ被害者であることや、連携して取り組む意味などを全体で共有するという当初の目的は、達成できたのではないかと思います。
報道などからも窺えるように、事故後初めて各地の被害救済原告団が一堂に 会した意味は小さくないと思いました。
 各地の状況もより理解できるようになりましたし、今後、原告団の連携をますます深めていきたいと考えています。

下記の福島アピールが採択されました。

原発訴訟原告らによる4・6福島アピール

 本年3月11日、全世界を揺るがした福島第一原発事故から、3年が経ちました。
 しかし、原発事故は、汚染水問題にも明らかなように、いまだに収束すらしていません。私たちが、かつて暮らし、あるいは今も暮らしている地域では、除染が進められているところもあるものの、除染によっても、放射性物質汚染がなくなるわけではなく、私たちは、今でも放射線被ばくによる健康影響への不安をぬぐい去ることができません。除染による廃棄物の処理の目途もついていません。汚染地域から避難した人々も、いつになったらふるさとに戻ることができるのか、国や自治体の支援がいつ打ち切られるのか、将来の見通しが立たないまま、過酷な避難生活を被害者一人一人の被害の現れ方は、それぞれが住んでいた地域、家族構成、年齢、職業など、個々の事情によって実に様々です。
 しかし、その被害の根源には、今回の事故によってもたらされた放射性物質汚染があり、これによる重大な健康影響への不安や懸念があることは明らかです。そして、その被害は、今回の事故により放出された放射性物質が、被害者のふるさとを汚染し続けている限り、継続する原発事故の収束の遅れ、被害者救済の遅れにもかかわらず、国や電力会社は、原発の再稼働や輸出に突き進んでいます。これは、結局、原発事故の被害が、表面上の賠償などによって覆い隠され、国や東京電力の加害責任が明らかになっていないからであると言わざるを得ません。
 私たちは、各地での裁判を通じて、今回の事故を引き起こした東京電力だけでなく、国策として電力会社と一体となって原子力発電を推進し、必要な安全対策を怠ってきた国の責任を徹底的に追及していきます。これは、単に被害者の救済だけでなく、これだけの被害をもたらした国の原子力推進政策を根本的に改めさせ、原発事故による被害者をこれ以上生み出さないためにも必要なことです。
 私たちは、多くの被害者が、それぞれの被害の現れ方の違いや、放射線被ばくの健康影響に対する考え方の違いなどを乗り越えて団結し、被害と立ち向かい、被害をもたらした国と東京電力の責任追及に立ち上がることを呼びかけるとともに、その先頭以上の決意を込めて、私たちは、ここに、次の原則を確認し、原発訴訟原告らによる4・6福島アピールを採択します。
  2014年4月6日 福島大学において
  「被害者訴訟原告団・みんなで交流」

  • 1.原発事故について国と東京電力の責任が明らかにされなければならない
  • 2.地域にとどまっている者も避難者も、区域内も区域外も、福島県内も県外も、それぞれが原発事故による被害者である
  • 3.原発事故による被害者の最後の一人まで救済されなければならない
  • 4.私たちが求めるもの、私たちが目指すものを実現するには、私たち自身が声を挙げなければならない
  • 5.原告同士、被害者同士が連携をとり、全国の人々と共闘し、被害救済のために取り組んでいかなければならない
  • 6.福島現地の取り組みも避難先各地の取り組みも連帯した取り組みである
  • 7.私たちの苦しみを二度と繰り返させないことを誓い、すべての人が原発から自由になるため、私たちは全国の脱原発を求める人々と連帯する

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原発訴訟原告らによる4・6福島アピール