原告団・弁護団の活動

第1回模擬法廷

第1回模擬法廷を行いました。

2013/7/16

1.第一回期日にあわせて第一回模擬法廷を行いました。

 「生業を返せ、地域を返せ!」福島原発事故被害弁護団は、「生業を返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟(原状回復訴訟)の第一口頭弁論期日にあわせて、模擬法廷を行いました。
 会場は、福島地方裁判所にほど近い、福島県文化センターです。原告数は、第一次提訴だけで800名ですが、福島地方裁判所では一番大きな法廷でも傍聴可能な人数が少なく、原告の大多数の方が傍聴できないことが予想されました。なるべく多くの原告の方に法廷の様子を知って頂きたい!裁判がどのようなものか実感して頂きたい!という願いから、弁護団では期日と同時進行で模擬法廷を行うことになりました。実際、期日には200名あまりの方にお集まりいただき、傍聴の抽選に外れた原告を中心に文化センターに移動しました。

2.模擬法廷の様子

 文化センター小ホールの壇上に、裁判官席、原告席、被告席を設置し、模擬法廷を行ないました。
 せっかくの模擬法廷ですから、スクリーンを利用して「認否」「陳述」といった裁判特有の用語解説を折々に交え、意見陳述の場面も陳述者の写真を写すなど、ビジュアル的にもわかりやすいよう試みました。また、訴状の陳述も、単に「陳述します」で終わらせるのではなく、訴状の「はじめに」の部分を実際にスクリーンに文字を映した上で、読み上げました。
 意見陳述の場面では、原告の意見陳述は原告の方が、弁護士の意見陳述は弁護士が、それぞれ代役となり読み上げました。原発事故のため自死によりお父様を亡くされた農家の原告、線量の高い地域からの避難のため家族がバラバラとなった原告、未来のためにも放射能の危険に怯えることのない暮らしを訴える中島孝原告団長、現在も福島に暮らしている立場から被害の実態や救済の必要性を語る渡邊純弁護士、九州で玄海原発差止訴訟に取り組み、今回の被害救済訴訟は、差止訴訟と並んで原発をなくすための両輪であると訴える板井優弁護士、過去の公害訴訟の経験からどのように被害者を救済するかについて意見を述べる馬奈木昭雄弁護士、本件訴訟によって全ての被害者が救済されるべきであることの正義を訴える安田純治弁護士(弁護団共同代表)と意見陳述が続きました。実際の法廷での陳述と雰囲気は異なるかもしれませんが、どの意見陳述も非常に力が入り、会場から同意の声も聞こえてきました。陳述された方は、意見陳述の原稿にご自身の思いも重ねて、語って頂いたのだと思います。原告の方々も、自らの被害を改めて思い起こし、これからも訴訟を闘っていく決意を新たにされたようでした。
 弁護団にとっても、模擬法廷は初めての試みです。裁判所や被告国・被告東電とのやりとりから、おおよその訴訟での指揮、発言等は予想できたのですが、やはり実際の法廷がどのように進んでいるかはわかりません。それぞれの役を演じる弁護士は、裁判官であれば、被告らであればどのような行動を行なうか、多くの部分をアドリブで行ないました。本当に被告らがこういう行動をとるのか?と思われた部分もありましたが、実際の法廷では模擬法廷以上の発言があったとのことですので、再現度は高かったのではないかと思います。

3.今後のお知らせ

 今回は原告のみならず、多くの方に模擬法廷にお集まり頂き、好評を頂きました。弁護団では次回期日以降も模擬法廷を行なうことを予定し、今回の反省点を踏まえ、よりよい内容にブラッシュアップしていきたいと思っています。
(以下、模擬法廷の様子を順次アップロードいたします。なお、模擬法廷と実際の裁判の様子は異なる部分がありますので、ご了承下さい。)

1.開廷~訴状朗読


2.訴訟の進行~答弁書陳述


3.原告樽川和也さん意見陳述


4.原告意見陳述

5.原告中島孝団長意見陳述


6.弁護士渡邊純意見陳述


7.弁護士馬奈木昭雄意見陳述


8.弁護士板井優意見陳述


9.弁護士安田純治意見陳述


10.協議~閉廷