2018年度

「生業を返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟 第二陣追加提訴声明

「生業を返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟判決を受けての声明

2018/3/9

本日、福島地方裁判所で、「生業を返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟の第二陣追加提訴を行いました。

「生業を返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟第二陣訴訟追加提訴にあたって

 福島第一原発事故(以下「本件事故」といいます。)から7年が経過しました。本日、私たちは、「生業を返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟第二陣訴訟の追加提訴を、福島地方裁判所に提起しました。
 本件事故から2年後の2013年3月11日に、第一陣訴訟を提起して以来、追加提訴を重ね、第一陣訴訟は原告3800人余を擁するかつてない大規模訴訟となりました。第一陣訴訟第一審判決は、昨年10月10日に言い渡されましたが、判決の中では、本件事故を引き起こした国と東京電力の責任が明ら
かとなっています。また、本件事故後、国や自治体からの避難指示があった地域だけでなく、それ以外の地域でも、避難をしたか否かにかかわらず、被害が存していることが認められました。しかし、その範囲や水準は十分なものではなく、また原状回復請求については「心情的には理解できる」としながらも却下となりました。
 第一陣訴訟は原告・被告双方の控訴により、仙台高裁へと舞台を移しましたが、国や東京電力は、「年間20ミリシーベルトを下回る被ばく量であれば、法的権利侵害はない」「原告が主張する損害のうち、不安や危惧にとどまるものは相当因果関係の認められる損害ではない」と依然として主張しています。本件事故前には、「放射性物質が放出されるような事故は起きない」などとして安全神話を振りまいておきながら、いったん事故が起きれば、被害の回復にも十分でない賠償だけで被害者を切り捨てて、被害そのものをなかったことにしようとする姿勢が明らかです。
 本件事故から7年が経過し、原発事故に関する報道も少なくなりました。事故の「風化」が言われていますが、被害者の耐えがたい苦しみは、現在も継続しています。しかし、原発政策を放棄するどころか、原発の建て替え(リプレイス)や新設を求める声も強まりつつあります。
 そうした状況にあって、被害者は声をあげ続けるとの姿勢を示し、第一陣第一審判決をさらによりよいものとすべく、第二陣の追加提訴は行われます。 私たちは、第二陣訴訟においても、第一陣訴訟と連動し、本件事故を引き起こした東京電力だけでなく、国策として電力会社と一体となって原子力発電を推進し、必要な安全対策を怠ってきた国の責任を徹底的に追及していきます。
 今回の追加提起が、控訴審でのたたかいが始まる第一陣訴訟の原告や支援者のみなさま、さらには全国各地で本件事故の被害救済に取り組んでいるみなさまへの励ましとなることを期待しています。
 多くのみなさまが、第一陣訴訟だけでなく、第二陣訴訟に対しても、より一層のご支援をくださいますよう、心から訴えます。

以上                                        
2018年3月9日
「生業を返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟原告団
「生業を返せ、地域を返せ!」福島原発事故被害弁護団


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提訴声明